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キウイフルーツ

えひめのまじめ図鑑

キウイフルーツ

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File 26

キウイフルーツ

みかん農家を救った果実
今や全国トップの特産品

#名産品 #農林水産
キウイフルーツ

みかんの危機に現れた
緑色のニューフェイス

愛媛といえばかんきつが有名ですが、実はキウイフルーツもすごいんです。
生産量はなんと30年以上連続で全国1位!
もちろん2021(令和3)年3月現在も、トップの座を守り続けています。

そもそもなぜ、愛媛でキウイフルーツの栽培が盛んになったのでしょう?
そこにはかんきつ生産地ならではの事情がありました。

1970年代、愛媛では作りすぎたみかんの価格が暴落してしまいます。
多くの農家が苦しむ中、かんきつと同じ気候条件で育つ、別の農作物が注目を集めました。
それがキウイフルーツです。
当時まだ珍しく、高値で売れたキウイフルーツは、農家にとってはまさに救世主。
こうしてみかん産地にキウイフルーツが仲間入りし、愛媛は日本一の生産地に成長したのです。

キウイフルーツ

雄花(右上)の花粉を雌花(右下)に受粉させます。ベストな期間は3~4日。作業は時間との戦いです。

農家の未来を切り拓くため
いろんなアイデア試してます

県の果樹研究センターでは、キウイフルーツの栽培に関するさまざまな研究を行っています。

たとえば、キウイフルーツはオスの木とメスの木が別々に存在するため、自然任せでは効率よく受粉しません。
立派な実をつけるためには手作業での受粉が必要です。

そこで開発されたのが「溶液受粉」という方法です。
花粉を液体に溶かして吹きつけるので、雌花に定着しやすく、しかも液体には色がついているため、作業済みの花が一目でわかります。ナイスアイデア!

センターでは現在、新品種の開発や、田んぼで栽培するための研究などが進められています。
これらは成果が出るまでに15年は必要とのこと。農家の未来のために日々、試行錯誤しているのですね。
日の目を見るそのときまで、気長に待ちましょう。

キウイフルーツ

やさしさと厳しさを使い分け
我が子のように育ててます

続いて県内一の産地・伊予市で、キウイフルーツ栽培歴35年になるベテラン農家の金本さんにお話を伺いました。

「キウイは日頃からこまめに世話をすれば、それに応えて育ってくれるからいいですよ。年をとっても続けられます」と金本さん。
受粉作業やツルの剪定など、忙しい時期はあるものの、奥様とのお出かけを楽しんだりしながら、無理なく仕事が続けられているとのこと。

こまめに世話を、なんてさらりと言ってのけた金本さんですが、よく聞けば木の一本一本の状態を観察して、水や肥料の量を調整するのだそうです。
おいしく育てるためには木を甘やかしすぎず、適度な刺激も必要なため、時にはあえて水を与えるタイミングを遅らせることも。
まるで我が子のようにキウイフルーツと向き合う金本さん…頭が下がります。

キウイフルーツ

JAえひめ中央の出荷の様子。右の写真の白い袋がエチレン資材です。

食卓で食べ頃になるよう逆算
収穫後にもこんな工夫が

キウイフルーツが日本に広まって間もない頃は、食べ頃ではないものを口にして「酸っぱい!おいしくない!」と嫌いになってしまう人も多かったようです。

ご安心ください。現在、店頭に並んでいるのは、食べ頃を迎えたものがほとんどです。
そしてここにも、隠れた工夫がありました。

農家が収穫したキウイフルーツは、JAの巨大な冷蔵庫で保管し、12月から4月の長期にわたって出荷されています。
この出荷時がポイント。箱の中に追熟を促す植物ホルモン「エチレン」の資材を入れるのです。
こうすることで、私たちの元に届く頃にはバッチリ甘くなっているというわけです。ありがたい!

ちなみにこの出荷スタイルは市場等の要望に応じて、エチレンを入れない通常出荷と使い分けているのだそう。

みかんの危機を乗り越えるために始まった、愛媛のキウイフルーツ栽培。
けれどそれが文字通りしっかりと根づき、日本一の生産地であり続けているのは、栽培から流通に携わる人たちの、努力を惜しまない姿勢のおかげなのかもしれません。


こぼれ話

こんな品種もあったんだ!

赤い品種(左)とアップルキウイ(右上)、ミニトマト程度の大きさのベビーキウイ(右下)。どれも個性的。

赤に黄色にミニサイズ、なんとりんごの形まで!?

キウイフルーツというと、みなさんが真っ先に思い浮かべるであろう緑色の果肉。
これは「ヘイワード」と呼ばれる、キウイフルーツの中で最もスタンダードな品種です。

最近では黄色い品種も店頭に並ぶようになりましたが、他にもたくさんの品種があることを知らない方も多いのではないでしょうか。

写真左の、赤い花が咲いたような果肉が印象的なこの品種は、愛媛県内でも栽培している農家はごくわずかというレアなキウイです。
さらにりんごのような形の「アップルキウイ」や、小さくて愛らしい「ベビーキウイ」なども存在します。

意外と多彩なキウイフルーツの品種。
見かけたら食べ比べしてみるのもいいかも?

(2021年3月)

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