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とべ動物園

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とべ動物園

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とべ動物園

動物園で「種の保存」って?
とべZOOのミッションに迫る!

#教育・文化 #観光 #ファミリー
とべ動物園

1999年に誕生したホッキョクグマのピース。20歳を超えた今もとべ動物園のアイドル!(写真提供:愛媛県立とべ動物園)

ピースだけじゃない!
人気者がいっぱいの動物園

昭和28年に設立された道後動物園が移転し、昭和63年に誕生した「とべ動物園」。
愛媛県民にはとても馴染みの深い場所ではないでしょうか。
起伏に富んだ砥部の丘陵地に、149種733点(2020年11月30日現在)の動物が自然に近い状態でのびのびと生活。パノラマ展示によるサバンナゾーンをはじめ、世界の動物をエリアごとに展示することで、世界一周の旅をしているようなワクワク感を味わえます。
前身から数えて70年近い歴史を重ねたとべ動物園が行っているさまざまな取り組みのなかで、今回は「繁殖センター」としての役割について迫ります。

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2020年6月に誕生したライオンの赤ちゃん。お母さんの愛情を受けてすくすく成長しています(写真提供:愛媛県立とべ動物園)

動物のお見合いから
妊娠・出産・子育てまで!

とべ動物園では、動物の妊娠・出産・子育てをサポートすることで、絶滅の危機が迫る野生動物を守る「種の保存」に取り組んでいます。
そして、キーパーさんが自身の子どもたちと一緒に自宅で育てたホッキョクグマのピース(国内初の人工哺育に成功!)をはじめ、数多くの動物の命を守り育ててきました。

赤ちゃんを産み育てる、繁殖のためにキーパーさんが行うことは、飼育下で動物の行動をよく観察し、発情や繁殖期を見分けることから始まります。そして発情の周期に合わせて動物のお見合いを行い、妊娠後は動物の種類によって超音波検診なども実施。出産・子育ての環境を整えていきます。

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2020年5月に生まれたキリンのリュウトくんは、まだまだお母さんに甘えたい盛り

繁殖において重要なポイントとなるのが、お母さんが子育てできるか、それともキーパーさんが育てる人工哺育に切り替えるかです。
動物園で生活している動物のなかには、子どもの頃に親元を離れたために、お母さんに育てられた記憶がない子もいます。それで子育ての仕方を知らず、いざ出産をしても我が子にどう接していいかわからなくて危害を加えてしまうことがあるのだそう。
1歳半のとき、アフリカの動物の孤児院からとべ動物園にやってきたアフリカゾウのリカも、母親を知らないみなし子でした。2006年11月に女の子の媛ちゃんを出産したものの、おっぱいを飲ませようとせず、媛ちゃんに危険が及んでいたためにキーパーさんがリカの代わりにお母さん役を務めることになりました。

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2013年に生まれた砥愛(とあ)ちゃんは7歳になりました。奥にはお姉ちゃんの媛ちゃんも

キーパーの姿に芽生えた母性
ゾウと人間の愛情物語!

媛ちゃんを無事に育て、日本初のアフリカゾウの人工哺育に成功した椎名副園長は「ゾウは母系集団の群れで生活します。お母さんを見て育ち、子育ての仕方を学習することで、自分が子どもを産んだときも同じようにできるようになる。だから群れで飼うことが大切なのです」と話します。
椎名さんが愛情をこめて媛ちゃんを育てる姿を見て学習し、母性が芽生えていったリカ。そして2009年3月、第2子の砥夢(とむ)くんを出産後は、椎名さんをお手本として、自ら子育てを始めたのです!
現在、砥夢くんはお父さんになるために県外の動物園へお引越ししましたが、媛ちゃんはお母さんのリカ、妹の砥愛(とあ)ちゃんと3頭で仲良く暮らしています。

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まるでサバンナのようなパノラマのロケーションで、ライオンの生態を見学できます

今しか見られない!可愛い
子どもたちに会いに行こう

園内での繁殖に積極的に取り組むとべ動物園では、のちの子育て環境を考え、気候が良い春頃と秋頃の出産を計算して繁殖を進めており、2020年もたくさんの赤ちゃんが誕生しています。
5月13日に誕生したキリンの赤ちゃんや、6月1日から3日にかけて誕生したライオンの赤ちゃん2頭、秋にはアカカンガルーやマントヒヒの赤ちゃんも相次いで誕生しました。
特にサバンナエリアでは、親子でじゃれあうライオンやキリンの様子をパノラマ展示で一望できます。
この春、まさに育ち盛りのとべZOOベビーに会いに行きませんか?

こぼれ話

ちびっこ憧れの青いユニフォーム!

とべ動物園のキーパーってカッコイイ!それが原点です

小さな頃、動物たちとコミュニケーションをとり、颯爽と働くキーパーさんの姿に憧れて、いつか自分も青いユニフォームを!と夢を抱いた子どもたち。そんな彼らが大人になり、とべ動物園の門を叩く…。そんなストーリーが何度も紡がれてきたそう。とべ動物園では、動物との触れ合いや飼育を体験するサマースクールや動物園の裏側見学などがあり、キーパーさんとお話しする機会がいっぱい。とべZOOの青いユニフォームは、いつの時代も子どもたちの憧れなのです。

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