
各座席に用意されたアテンダントさん自作の沿線マップに、これから始まる列車旅への期待が高まります。
伊予灘の景色とおもてなし
観光列車にみきゃんが乗車
松山駅から双海を経て大洲・八幡浜へ。穏やかな瀬戸内のロケーションを満喫する観光列車「伊予灘ものがたり」。
2020(令和2)年7月26日に6周年を迎え、乗客は12万人を達成したとか。しかも、一度乗車した人が、2度、3度と訪れているというのです。何がそれほどまでに人々を惹きつけるのでしょう?そこで、まじめ課長のみきゃんが、伊予灘ものがたりの魅力の秘密を探るべく、いざ体験乗車!

シートバリエーションが豊富。どの席でも伊予灘の景色を楽しめるよう、山側の座席は一段高くなっています
まだまだ夏の日差しが眩しい8月下旬、「まじめえひめ」ののぼりを背負って列車に乗り込んだみきゃん。列車が走る伊予灘は夕日の美しさで全国的に有名ですが、太陽の光にきらめく日中の海景色もこれまた素敵。そこで今回は、朝、昼、そして夕暮れの4便あるなかで「大洲編」をセレクト。爽やかな朝の伊予灘を堪能する約2時間の列車旅です。
ゆっくりとモーニングをいただきながら、沿線の市街地や田園風景のなかを抜けていくその道中、耳に心地よく届くのがアテンダントさんのガイド。沿線の魅力を細やかに伝えてくれます。

いつもご主人と一緒に下灘駅で乗客を迎えているという地元のお母さん。アテンダントさんとも仲良し!
「久しぶり〜」って
仲良すぎません!?
途中停車の下灘駅では、写真のお母さんたち地域の方々が、「12万人達成おめでとう」「ステキな旅を」などと書かれた手づくりのボードを持って迎えてくれました。まるで故郷に帰ってきたかのような歓迎ぶりに、思わず顔がほころびます。そして地域の方とアテンダントさんが、まるで母娘のように再会を喜び合っている姿になんだかジーン。「何度お会いしても、たくさん話題が湧いてきて、ついつい盛り上がってしまう」のだそう!
駅に立ち寄って記念撮影をしたり、地域の方とおしゃべりしたり。これも観光列車ならではの醍醐味ですよね。

思わず笑みがこぼれる
車窓がまるでアトラクション!
そして再び走り出した車内、「長浜サンデーズのみなさんが手を振ってくださっています」とアテンダントさんの声。地域の野球チームの方々の歓迎に応え、我々もお手振り返し!それにしても、地域の野球チームの名前まで熟知しているアテンダントさん、さすがです!
すでに伊予灘ものがたりの風物詩ともいえる?五郎駅のたぬき駅長さんによるアトラクション並みのおもてなしや、庭先で仮装をして楽しませてくれるファミリー。そして沿線に暮らす人々も、当たり前のことのように軒先から笑顔で手を振ってくれる…。四国遍路のお接待文化が息づく愛媛の素晴らしさをひしひしと感じます。

これが噂の、五郎駅名物・たぬき駅長の熱烈なおもてなし。窓越しにハイタッチできた人はラッキー!
真のおもてなしって
こういうことなのですね!
「出発から到着まで沿線からのおもてなしが絶えることはなく、こんなにも地域の皆様に支えていただいている観光列車はほかにないと思っています」。そんなアテンダントさんの言葉通り、沿線の方が手を振ってくれる、その姿にいち早く気づき教えてくれる。素晴らしい阿吽の呼吸です。
終点の伊予大洲駅。なんだか名残惜しいみきゃん課長に、「地域の方々のあたたかなおもてなしとお支えは、私たちアテンダントの宝物であり、誇りです。このおもてなしに触れれば、小さな光が灯るような、やさしい気持ちになるはずです」と話してくれたアテンダントさん。その笑顔がひたすらに眩しいのでした。
愛媛産の愛あるおもてなし

伊予灘ものがたりの列車旅は、愛媛のもので溢れています
ソフト面だけでなく、ハードのおもてなしも随所に見られる伊予灘ものがたり。旧車両を改装したというレトロモダンな車内は、どの席からでも瀬戸内の景色が楽しめるようにテーブル席を一段上げる工夫がされています。そして、モーニングにランチ、アフタヌーンティーと、便によって異なる食事もリピートが多い理由の一つ。いずれも愛媛県内の素材にこだわり、県内のシェフやパティシエが手がけた美味揃いです。美しい砥部焼の器やカップに、四国中央市の伝統工芸・水引きで作られた箸置きなど、気分が上がる愛媛のものに囲まれて、まじめ課長、愛媛ならではの列車旅を満喫させてもらいました!
(2020年11月)
