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媛っこ地鶏

えひめのまじめ図鑑

媛っこ地鶏

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File 08

媛っこ地鶏

育てる人&食べる人が笑顔。
それにこだわり抜いて開発

#名産品 #農林水産
媛っこ地鶏

手間も時間も惜しまない
“いいとこドリ”づくり

「媛っこ地鶏」は、2002(平成14)年に愛媛県養鶏研究所で開発された愛媛が誇るブランド地鶏です。その美味しさの秘訣は、手間も時間もかかる「四元交配」にあります。

日本食鳥協会に登録している銘柄鶏の中で4種類の鶏の長所を合わせ持っているのは、媛っこ地鶏だけなんだそう。

媛っこ地鶏のお母さんは、1988(昭和63)年に開発された「伊予路しゃも」です。「伊予路しゃも」は高品質な鶏でしたが、それで終わらないのが愛媛県養鶏研究所です。
「飼いやすく、買いやすい」をコンセプトに新たな地鶏の開発に挑戦したのです。

媛っこ地鶏

目標達成は次への出発点。
合格点への長い道のり

二元・三元交配、ついには四元交配と40パターン近い交配の組合せを、3つの異なる日数で飼育し、試験を重ねる日々。二元交配なら雛ができるのに200日ですが、四元交配の場合は200日×3回だから600日かかります。
「鶏は牛のように格付けがないので、分析値だけでは美味しいかどうかの評価ができません。そこに苦労しました」と研究員さん。

合格点の鶏が出来上がったのは、開発を始めてから7年後でした。


媛っこ地鶏

生産者さん達は飼育期間や飼育密度などの飼育基準を守って大切に育てています

飼う人と買う人の思いを
大事にする姿勢が激アツ

味の合否判定と値段設定は、数十件のホテル・飲食店の料理人さん達にアンケート調査を実施して行いました。

また、「飼いやすさ」もきちんと確かめたい。そんな思いで、養鶏研究所は飼育の実証試験を養鶏経験のない人にお願いしました。「地域の鶏にしていく。我が町の産品にする」という熱い思いで初めての養鶏に臨む生産者さん達に、飼育の仕方を指導。

生産者さんと飲食店をつなげることにも取り組みました。一つひとつのステップを丁寧に踏み、媛っこ地鶏はデビューとなったのです。
現在は県内18の生産者さんによって年間6万羽が生産されています。

媛っこ地鶏

西条市にある愛媛県養鶏研究所での研究の様子

開発をコツコツと継続中!
無理レベルの難題にも挑む

媛っこ地鶏の開発は現在も進行中で、種鶏(雛をつくるための親鶏)の育種改良を続けています。「種鶏の能力をちょっとずつ上げているので、10年前より今の媛っこ地鶏の方がよくなっています」と研究員さん。

媛っこ地鶏は養鶏研究所で生まれ、生産者さんの元へ。毎月1度、養鶏研究所の人と生産者さんは雛の受け渡しで顔を合わせます。養鶏研究所は媛っこ地鶏の太り具合や、飼育環境などを確認し、生産者さんの声に耳を傾けることも怠りません。

生産者さんの要望がきっかけとなり、現在、雛の段階でオス・メスを見分ける方法を研究しています。「それは無理」と言われた課題に、若い研究員さんが情熱を持って取り組んでいるのです。

こぼれ話

実食レポ!染み出す旨みが別格

臭みやしつこさがなく、ジューシーで旨みが濃い

4種類の鶏の長所が凝縮されていると聞いたら実食せずにはいられません。というわけで、生産者の前田和明さんが営む居酒屋へ。まずは、店主おすすめのたたきから。臭みがまったくなく、しっとりした舌触りの肉からほのかな甘みが出てきます。次に食べたのは胸肉ともも肉の焼き鳥。見た目プリプリのもも肉にかぶりつきました。想像の上をいく食感。硬いわけではなく、「コシ」と言いたくなる弾力があり、歯を入れる度に旨みがジュワッと出てくるのです。口の中に脂が残る感じがなく、コクの余韻だけが広がりました。皮もしつこさがなく、上品な香ばしさと濃い旨みが塊になったような味わいでした。鶏肉が苦手でも食べられると思います。媛っこ地鶏は、なんとあの「どっちの料理ショー」(日本テレビ)で特選素材に選ばれたこともあるそうですよ。ぜひお試しください。
(取材協力/やきとり居酒屋一番町のゆら)

(2020年12月)

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